古文書を読む
2022年12月23日
急に寒さが厳しくなり、埋蔵金探しのフィールドワークをしばらく中断しています。
埋蔵金伝説の残る近場は行き尽くしてしまい、有望な候補地が見当たらないという理由もあります。
いわゆる朝日長者伝説は各地にありますが、実際に財宝が埋められている可能性はゼロに近いようです。
デッドロックに乗り上げた感があります。
といって埋蔵金探しを諦めたわけではなく、どうすれば財宝を手にできるか、さまざまな角度から検討を試みています。
古文書を読むための学習も地道に続けています。
埋蔵金について記した古文書を新たに見つけることが、ゴールに近づくための有効な手段の一つであることは間違いないでしょう。
古文書に関する本を二冊購入しました。
一冊は、苅米一志著「日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法」です。
古文書を読むことは、くずし字をマスターすることだと思われがちですが、実はその後に変体漢文として訓読し、それを口語に訳するという作業が控えています。
序文によると、変体漢文の訓読を専門に扱った唯一の本だそうです。
ページ数はそれほど多くなく(字も大きいです)、数時間で読めます。
もう一冊は、林英夫監修「音訓引き古文書字典」です。
あいうえお順で、古文書に出てくる用語とくずし字、その意味を同時に参照することができる優れもので、これはこの先も重宝しそうです。
埋蔵金伝説の残る近場は行き尽くしてしまい、有望な候補地が見当たらないという理由もあります。
いわゆる朝日長者伝説は各地にありますが、実際に財宝が埋められている可能性はゼロに近いようです。
デッドロックに乗り上げた感があります。
といって埋蔵金探しを諦めたわけではなく、どうすれば財宝を手にできるか、さまざまな角度から検討を試みています。
古文書を読むための学習も地道に続けています。
埋蔵金について記した古文書を新たに見つけることが、ゴールに近づくための有効な手段の一つであることは間違いないでしょう。
古文書に関する本を二冊購入しました。
一冊は、苅米一志著「日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法」です。
古文書を読むことは、くずし字をマスターすることだと思われがちですが、実はその後に変体漢文として訓読し、それを口語に訳するという作業が控えています。
序文によると、変体漢文の訓読を専門に扱った唯一の本だそうです。
ページ数はそれほど多くなく(字も大きいです)、数時間で読めます。
もう一冊は、林英夫監修「音訓引き古文書字典」です。
あいうえお順で、古文書に出てくる用語とくずし字、その意味を同時に参照することができる優れもので、これはこの先も重宝しそうです。
(08:00)
2022年11月23日
古文書入門講座のテキスト4を終え、添削課題を提出して講座が終了しました。
テキスト4では時代を下って、坂本龍馬、西郷隆盛、土方歳三の3人の幕末志士の自筆の手紙を読みます。
坂本の手紙は「エヘンの手紙」と呼ばれる有名なもので、勝海舟の門人となったことを3歳年上の姉の坂本乙女に自慢する内容。
西郷の手紙は、江戸城総攻撃の予定の前日に勝海舟に宛てたもの。
土方の手紙は会津戦争の最中に書かれたもので、現在確認されている手紙の中では存命中最後のものとされ、いずれも史料として興味深い内容です。
例によって、健忘録を兼ねて重要事項をまとめてみます。
ひらがなの「に」には、「耳」と「尓」のくずし字がある
「門」のくずし字は今の活字と異なり、丸ごと覚えるしかない
「罷(まか)る」は、「行く」の謙譲語として使われる
「御座候」はひとまとめで覚える
「月」のくずし字には、よく出てくる2種類の形がある
さて通信講座を修了した感想ですが、「入門講座」とある通り、古文や漢文の知識がない人間でも始められる、極めて初歩的な内容です。
歴史的な人物の古文書を教材として取り上げることで受講者の興味を駆り立て、頻出文字の丸暗記と、部首を手掛かりにして古文書字典を引くことを勧める指導方針は、徹底しています。
講座を終えて古文書が読めるようになったとは正直言えませんが、針路は定まった気がします。
今後は、外国語の習得と同様、できるだけ多くの古文書にチャレンジするつもりです。(その前にテキストに載っている古文書の復習が必要ですが)
「坂本龍馬書状」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)
テキスト4では時代を下って、坂本龍馬、西郷隆盛、土方歳三の3人の幕末志士の自筆の手紙を読みます。
坂本の手紙は「エヘンの手紙」と呼ばれる有名なもので、勝海舟の門人となったことを3歳年上の姉の坂本乙女に自慢する内容。
西郷の手紙は、江戸城総攻撃の予定の前日に勝海舟に宛てたもの。
土方の手紙は会津戦争の最中に書かれたもので、現在確認されている手紙の中では存命中最後のものとされ、いずれも史料として興味深い内容です。
例によって、健忘録を兼ねて重要事項をまとめてみます。
ひらがなの「に」には、「耳」と「尓」のくずし字がある
「門」のくずし字は今の活字と異なり、丸ごと覚えるしかない
「罷(まか)る」は、「行く」の謙譲語として使われる
「御座候」はひとまとめで覚える
「月」のくずし字には、よく出てくる2種類の形がある
さて通信講座を修了した感想ですが、「入門講座」とある通り、古文や漢文の知識がない人間でも始められる、極めて初歩的な内容です。
歴史的な人物の古文書を教材として取り上げることで受講者の興味を駆り立て、頻出文字の丸暗記と、部首を手掛かりにして古文書字典を引くことを勧める指導方針は、徹底しています。
講座を終えて古文書が読めるようになったとは正直言えませんが、針路は定まった気がします。
今後は、外国語の習得と同様、できるだけ多くの古文書にチャレンジするつもりです。(その前にテキストに載っている古文書の復習が必要ですが)
「坂本龍馬書状」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)
(08:00)
2022年10月16日
また少し間隔があいてしまいましたが、古文書入門講座のテキスト3の内容を健忘録を兼ねてまとめておきます。
テキスト3では最初から実践に入り、戦国の三英傑である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の手紙を読みます。
織田信長の手紙は、甲斐の武田氏を滅ぼした信長が、公家の久我敦通(こが・あつみち)に武具などの贈り物のお礼を伝える内容です。
覚えておきたい部首は、「陣」の「こざとへん」、「殊」の「がつへん」、「情」の「りっしんべん」、「明」の「日へん」、「猶」の「けものへん」。
丸ごと覚える字は、「具(ぐ・つぶさ)」「并(ならびに)」「然(ぜん)」。
さらに、手紙文の末尾の常套句として「穴賢〱(あなかしこかしこ)」(非常に恐れ多いことです)を学びます。
豊臣秀吉の手紙は、北条氏討伐を秀吉と交流のあった3人の公家に報告するもの。
覚えておきたい部首は、「移」の「のぎへん」。
丸ごと覚えたい字は、「今」「北」「差」「来(きたる)」「至(いたる)」。
こちらの手紙文の末尾には、もう一つの常套句の「恐々謹言(きょうきょうきんげん)」(恐れながら謹んで申し上げます)が登場します。
徳川家康の手紙は、関ヶ原合戦に応じた九州での戦いでの黒田官兵衛の活躍をたたえる内容です。
丸ごと覚えたい字は「処」「多」「壱」「所」。
古文書の解読とは直接関係ありませんが、戦国武将の手紙のほとんどは、右筆(ゆうひつ)と呼ばれる専門の書記が代筆していたこと、本人が内容を確認して差出人名の下に「花押」を自署(あるいは押印)していたこと、現在の「追伸」に当たる「追而書(おってがき)」「尚々書(なおなおがき)」は行間に書かれたことが紹介されています。
織田信長黒印状(大阪城天守閣蔵)
テキスト3では最初から実践に入り、戦国の三英傑である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の手紙を読みます。
織田信長の手紙は、甲斐の武田氏を滅ぼした信長が、公家の久我敦通(こが・あつみち)に武具などの贈り物のお礼を伝える内容です。
覚えておきたい部首は、「陣」の「こざとへん」、「殊」の「がつへん」、「情」の「りっしんべん」、「明」の「日へん」、「猶」の「けものへん」。
丸ごと覚える字は、「具(ぐ・つぶさ)」「并(ならびに)」「然(ぜん)」。
さらに、手紙文の末尾の常套句として「穴賢〱(あなかしこかしこ)」(非常に恐れ多いことです)を学びます。
豊臣秀吉の手紙は、北条氏討伐を秀吉と交流のあった3人の公家に報告するもの。
覚えておきたい部首は、「移」の「のぎへん」。
丸ごと覚えたい字は、「今」「北」「差」「来(きたる)」「至(いたる)」。
こちらの手紙文の末尾には、もう一つの常套句の「恐々謹言(きょうきょうきんげん)」(恐れながら謹んで申し上げます)が登場します。
徳川家康の手紙は、関ヶ原合戦に応じた九州での戦いでの黒田官兵衛の活躍をたたえる内容です。
丸ごと覚えたい字は「処」「多」「壱」「所」。
古文書の解読とは直接関係ありませんが、戦国武将の手紙のほとんどは、右筆(ゆうひつ)と呼ばれる専門の書記が代筆していたこと、本人が内容を確認して差出人名の下に「花押」を自署(あるいは押印)していたこと、現在の「追伸」に当たる「追而書(おってがき)」「尚々書(なおなおがき)」は行間に書かれたことが紹介されています。
織田信長黒印状(大阪城天守閣蔵)
(16:00)
2022年09月19日
少し間隔が開いてしまいましたが、自分の頭の整理を兼ねて、古文書入門講座のテキスト2の内容をまとめておきます。
テキスト1では丸ごと覚えてかなければならない漢字として「候」「御」「申」「之」「相」「可」「被」「為」の八つを学びました。
テキスト2では「部首の形を覚えることが、くずし字を習得する最速の道」「古文書字典を使うことで、部首を手掛かりに読めなかった文字が読めるようになる」という観点から、古文書に頻繁に登場する「へん」「あし」「にょう」「つくり」「かんむり」「たれ」を学習します。
へんは「にんべん」(古文書で最も多い)「ぎょうにんべん」(役、後、得が頻出)「さんずい」(法、済、渡が頻出)「ごんべん」(證、諸、請が頻出)の四つで、このうち「にんべん」「ぎょうにんべん」「さんずい」はくずし字によっては同じ形になります。
あしは「したごころ」(急、恐、惣が頻出)、にょうは「しんにょう」(通、違、遣が頻出)、つくりは「おおがい」(願など)を学びます。
続いて、形が似ているへんとして「のぎへん、しめすへん、ころもへん」「糸へん、子へん、弓へん、がつへん」「至へん、金へん」をまとめて覚えます。
かんむりは「うかんむり」は分かりやすいですが、「草かんむり」と「竹かんむり」は同じ形になることがあるので注意が必要。
さらに、たれの「雁だれ」「しかばね」には同じ形があること、「雁だれ」の上に点が付くと「麻だれ」になること、「しんにょう」と「えんにょう」はほぼ同じ形になることを確認して、江戸時代の通行手形の解読に取り組みます。
テキスト2ではこのほか、古文書字典の使い方として、部首が分かれば「部首索引」で、自分で漢字の予測がついた場合は「音訓索引」から引くように勧めています。
以上、テキスト2の概略でした。
通行手形(個人蔵)
テキスト1では丸ごと覚えてかなければならない漢字として「候」「御」「申」「之」「相」「可」「被」「為」の八つを学びました。
テキスト2では「部首の形を覚えることが、くずし字を習得する最速の道」「古文書字典を使うことで、部首を手掛かりに読めなかった文字が読めるようになる」という観点から、古文書に頻繁に登場する「へん」「あし」「にょう」「つくり」「かんむり」「たれ」を学習します。
へんは「にんべん」(古文書で最も多い)「ぎょうにんべん」(役、後、得が頻出)「さんずい」(法、済、渡が頻出)「ごんべん」(證、諸、請が頻出)の四つで、このうち「にんべん」「ぎょうにんべん」「さんずい」はくずし字によっては同じ形になります。
あしは「したごころ」(急、恐、惣が頻出)、にょうは「しんにょう」(通、違、遣が頻出)、つくりは「おおがい」(願など)を学びます。
続いて、形が似ているへんとして「のぎへん、しめすへん、ころもへん」「糸へん、子へん、弓へん、がつへん」「至へん、金へん」をまとめて覚えます。
かんむりは「うかんむり」は分かりやすいですが、「草かんむり」と「竹かんむり」は同じ形になることがあるので注意が必要。
さらに、たれの「雁だれ」「しかばね」には同じ形があること、「雁だれ」の上に点が付くと「麻だれ」になること、「しんにょう」と「えんにょう」はほぼ同じ形になることを確認して、江戸時代の通行手形の解読に取り組みます。
テキスト2ではこのほか、古文書字典の使い方として、部首が分かれば「部首索引」で、自分で漢字の予測がついた場合は「音訓索引」から引くように勧めています。
以上、テキスト2の概略でした。
通行手形(個人蔵)
(09:00)
2022年08月24日
古文書入門講座のテキスト1を終了しました。
私自身の頭の整理を兼ねて、内容をご紹介したいと思います。
講座によると、解読の近道は「古文書によく登場する文字を覚えること」。
まず、絶対に覚えておかなければならない二つの漢字として「候(そうろう)」と「御(ご・おん)」のくずし字を学びます。
続いて、これに匹敵するほど大事な三つの漢字として「申(もうす)」「之(の)」「相(あい)」のくずし字を学習します。
さらに、下から上に返って読む「返読文字」として、「可(べき)」「被(られ)」「為(ため)」のくずし字を学んだところで、実践に移り、江戸時代に書かれた離縁状の解読に挑戦します。
離縁状は、いわゆる「三行半(みくだりはん)」で、本文は3行半しかありませんが、もちろん八つの漢字だけでは読めません。
ただ、読める漢字が少しでもあると、古文書に対する印象がずいぶん変わってきます。
離縁状に出てくる文字の中で、重要とされるのは「等(ら)」「其(その)」「参(まいる)」「致(いたし)」「者(は)」「差(さし)」「無(なし)」「後」「弐(に)」の計9文字。
講座では、読めない漢字は、部首を手掛かりに副教材の小字典で調べるよう求める一方、現在の漢字と形がまったく異なり、字典を引けない文字については、形ごと暗記するよう推奨しています。
以上、テキスト1の内容でした。
離縁状(個人蔵)
私自身の頭の整理を兼ねて、内容をご紹介したいと思います。
講座によると、解読の近道は「古文書によく登場する文字を覚えること」。
まず、絶対に覚えておかなければならない二つの漢字として「候(そうろう)」と「御(ご・おん)」のくずし字を学びます。
続いて、これに匹敵するほど大事な三つの漢字として「申(もうす)」「之(の)」「相(あい)」のくずし字を学習します。
さらに、下から上に返って読む「返読文字」として、「可(べき)」「被(られ)」「為(ため)」のくずし字を学んだところで、実践に移り、江戸時代に書かれた離縁状の解読に挑戦します。
離縁状は、いわゆる「三行半(みくだりはん)」で、本文は3行半しかありませんが、もちろん八つの漢字だけでは読めません。
ただ、読める漢字が少しでもあると、古文書に対する印象がずいぶん変わってきます。
離縁状に出てくる文字の中で、重要とされるのは「等(ら)」「其(その)」「参(まいる)」「致(いたし)」「者(は)」「差(さし)」「無(なし)」「後」「弐(に)」の計9文字。
講座では、読めない漢字は、部首を手掛かりに副教材の小字典で調べるよう求める一方、現在の漢字と形がまったく異なり、字典を引けない文字については、形ごと暗記するよう推奨しています。
以上、テキスト1の内容でした。
離縁状(個人蔵)
(11:00)