実在の埋蔵金ハンター

2022年10月14日

ネットで検索していて、興味深い記事を見つけました。

八重野充弘氏が2013年12月から半年間にわたり週刊実話に連載していた「出てこい!ニッポン埋蔵金 発掘最前線」(計20回)です。

発表媒体に合わせたのでしょうか、八重野氏が過去に出版した一般向けの書籍とは異なり、埋蔵金探しを巡るリアルで生々しい話題が綴られています。

中でも印象に残ったのは、八重野氏が先達と称する3人の埋蔵金ハンター(いずれも故人)の話です。

一人目は言うまでもなく、八重野氏をトレジャーハンティングの道に引き込んだ畠山清行氏。

畠山氏が単なる埋蔵金研究家にとどまらず、埋蔵金ハンターの顔を持ち合わせていたことは、著書の「日本の埋蔵金」を読んでも明らかです。

記事では、畠山氏が土地所有者の娘の女子大生の卒業論文を代筆することを条件に、発掘の許可を得るエピソードが紹介されています。

二人目は、畠山氏のパートナーでスポンサーでもある仲元虎斉氏。

本人が八重野氏に語ったところによると、同郷の岸信介元首相を介して、台湾の蒋介石元総統の依頼を受け、旧日本軍が台湾各地に隠した軍用物資を探し出す任務に就き、発見した中には126㎏に及ぶ金塊もあったとか。

八重野氏は仲元氏を、この世界で実績を挙げた唯一の日本人と評しています。

三人目は不動産で儲けた4億3千万円を元手に、埋蔵金探しの専門会社「未来開発」を立ち上げた吉田錦吾氏です。

私はネットで記事を読むまで、この人物を全く知りませんでした。

吉田氏は昭和の終わりから平成にかけ、豊富な資金にモノを言わせて、埋蔵金伝説が残る有名な場所を掘りまくりましたが、結局どこも見つからず、最後には数千万円の借金を抱え、山での事故で亡くなったそうです。

埋蔵金が持つ、人の心を虜にしてやまない魔力と、一歩間違えれば地獄に落ちかねない怖さに身震いさせられます。


(08:00)

2022年10月04日

日本のトレジャーハンターの草分けで、元トレハンクラブ会長でもある橘高章(きったか・あきら)さんと、東京都練馬区のご自宅でお会いすることができました。

埋蔵金についていろいろと興味深いお話をお聞きしました。

橘高さんは19歳の時に徳川埋蔵金の謎文を解読したのをきっかけにトレジャーハンティングにのめり込み、以来、50余年にわたって活動を続けられています。

このブログでも以前にお伝えしましたが、2016年には集大成ともいえるブックレット「埋蔵金の研究」を、自身が経営する出版社たんさく(現在は解散)から出版。

ライフワークとされてきた徳川埋蔵金や武田信玄の埋蔵金について、その隠し場所についての推理や、これまでの探索活動の結果を惜しげもなく披露しています。

その本の中で、埋蔵金探しから引退するようなことを書かれていたので気になったのですが、ほんの3週間前にも栃木県日光市の庚申山に探索に出掛け、滑落事故で死にかけたそうで、すっかり安心(失礼)しました。

ただ、最近は埋蔵金よりも邪馬台国の研究に力を入れているそう。

邪馬台国「宮崎市説」を伺ったのですが、その推理のキレは抜群で、テレビの歴史番組でぜひ取り上げてほしいと思うほどです。

これから埋蔵金探しをしようとする人たちへのアドバイスをお聞きすると、「一攫千金を目論むなら、埋蔵金を探すより、宝くじを買ったほうがいい。宝くじに当たったという話は聞いたことがあるが、埋蔵金を掘り当てたという話は聞いたことがない」と、冗談交じりにおっしゃられていました。


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 自宅でパソコンの前に座る橘高さん=東京都練馬区で

(09:00)

2022年08月27日


不勉強の誹りを免れないのですが、このブログを続ける中で、日本のトレジャーハンターのもう一人の草分け的存在である橘高章(きったか・あきら)氏のことを知りました。

日本トレジャー・ハンティング・クラブ(八重野充弘氏が代表を務める日本トレジャーハンティング・クラブとは別団体)の会長を、長年にわたって務めた方です。

往時は、埋蔵金の専門家として新聞や雑誌に寄稿する一方、テレビ出演も頻繁にこなしていたようです。

ただし、埋蔵金探しに対しては、八重野氏のようなプロではなく、あくまでアマチュアの立場。

東大助手や短大の助教授を務めた後、出版社の「たんさく」を経営し、畠山清行氏の「日本の埋蔵金」をテーマごとに抜き出したブックレットを発行しています。

ご本人の了解を得て、このブログに橘高氏のホームページへのリンクを張らせていただきました。

ホームページは開店休業状態で、リンク切れも多いのですが、橘高氏本人が埋蔵金を探索する様子を記録した写真や映像を見ることができます。

そんな橘高氏は六年前に、これまでの活動の集大成ともいえる「埋蔵金の研究」を出版しています。

40ページのブックレットで、一般向けの本とは言い難いのですが、徳川家康や豊臣秀吉などの埋蔵金の在りかについて、40年近くにわたる自身の経験をもとに、独自の推理を展開しています。

その幾つかは正解ではないかと思わせる確かな説得力があります。



(09:00)

2022年08月17日

埋蔵金について詳しいサイトは、八重野充弘氏と「日本の埋蔵金」研究所のホームページのほかには見つからない、なんて書いてしまいましたが、世間知らずも甚だしいようです。

ブログの読者の方から「埋蔵金発掘が趣味の人165」と題したサイトを教えていただき、その充実した内容に驚かされました。

匿名掲示板の5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)に、すでに17年以上続く「埋蔵金発掘が趣味の人」というスレッド(ネットですべて読めます)があり、そこで埋蔵金に関する博識と鋭い推理を披露している165氏が主宰するサイトです。

サイトには、埋蔵金を取り上げた過去のテレビ番組の紹介、165氏本人による「徳川埋蔵金」「武田埋蔵金」「結城埋蔵金」などの現地調査、所有する埋蔵金関連書籍の一覧が掲載されています。

とくに現地調査のコーナーでは写真がふんだんに使われ、現地に実際に出掛ける上で大いに参考になりそうです。

埋蔵金関連書籍に対する165氏の書評は、サイトには掲載されていませんが、アマゾンでまとめて読むことができます。

掲示板のスレッドを読むと、165氏は理詰めで資料を紐解く、頭脳派の埋蔵金ハンターといったところでしょうか。

「土を掘るより資料を掘れ」というのは、畠山清行氏が残した言葉ですが、まさにそれを実践されている印象です。

165氏が本命とされている徳川埋蔵金を、近いうちに誰も考えなかった場所から発掘してしまうのではないか、そんな気がしてなりません。


(08:00)

2022年08月09日

八重野充弘氏のホームページについて触れましたが、もう一つ、埋蔵金に関する情報を集めたウェブサイトとして、「日本の埋蔵金」研究所をご紹介します。

開設されたのは、インターネットがまだ一般に普及する以前の1995年1月。

内容は日本各地の埋蔵金ポイント、埋蔵金関連の法規の解説、埋蔵金関連書籍の紹介、金属探知機のメーカー一覧など、まさに研究所という名前にふさわしいものです。

四半世紀以上の歴史を誇るだけに、一朝一夕にはたどり着けない知識の蓄積を感じさせます。

しばらく更新されていないようですが、埋蔵金に関わる最新のニュースも掲載されています。

主宰の小宮山幸雄(こみやま・ゆきお)氏は、詳しいことは不明ですが、ネットで検索すると、ウェブ版の「ミスター・バイク」にコラムを連載しており、どうやら、そちらが本職?のようです。

小宮山氏がどういった動機でこのサイトを立ち上げたのかはわかりませんが、埋蔵金ファンには有り難い存在です。

ところで、今回この記事を書くにあたり、八重野充弘氏のホームページと「日本の埋蔵金」研究所以外に、埋蔵金について詳しいサイトがないか探してみたのですが、見つかりませんでした。(どなたかご存じてしたら教えてください)

身の程知らずは承知の上ですが、このブログが上記の二つのサイトに遠く及ばないにしても、これから埋蔵金探しを趣味にしようとする人たちの参考に少しでもなることを願っています。



(09:00)