2023年03月05日

すべてを打ち明けた上山は、高尾を仲間に加えることを約束し、その上で「弟の都合があるので3年だけ待ってくれ。そうしたら、3人で黄金を運び出そう」と話します。

ところが、上山からは3年たっても、5年たってもいっこうに連絡がありません。

高尾は騙されたと悔しがりましたが、昔の鉱夫仲間から、上山が北海道の鉱山でダイナマイトの爆発事故を起こし、弟と一緒に死んだことを知らされます。

事態は一転、いまや佐々成政の軍用金のありかを知っているのは高尾一人だけとなりました。

実は高尾は下山途中、すれ違った住民に地名を尋ね、そこが「ほんみや(現在の富山市大山町本宮)」で、下りてきた山が「鍬崎山」であることを確認していました。

高尾は黄金の延べ板を回収すべく、岩穴を探します。

しかしながら、記憶を頼りに何度山を歩いても、たどり着くことができず、遂には財産を使い果たしてしまいました。

以上が高尾が中山氏に語った、佐々成政の軍用金を巡る顛末です。

(この話には畠山清行氏が、千葉の競馬場で知り合った高橋という人物から聞いたという別のバージョンもあります。そこでは上山は黒川と名前を替え、高橋が目撃した黄金の延べ板入りの甕は3個で、ほかに6つの洞窟に3個ずつ隠されているという内容にすり替わっています)

さて、埋蔵金伝説の信憑性を考える上で、実際にお宝を見たという話に勝るものはありません。

中山氏が埋蔵金の存在を信じて、その探索に半生を費やしたの理解できる気がします。

ただし、よくよく考えてみると、この話にはおかしな点が二つあります。(この項続く)


本宮駅
 富山地方鉄道・本宮駅=富山県大山町本宮で

(09:00)

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