2022年12月08日

山下財宝は、識者によって「捏造」「都市伝説」と片付けられることが多いのですが、実在をうかがわせる二つの情報があります。

一つは1971年にフィリピンのルソン島北部のバギオで、ゴールデン・ブッダ(黄金の仏像)が発掘された話です。

錠前師のロジャー・ロハス氏は元日本兵から受け取った地図をもとに財宝を探し、バギオ総合病院近くの地下壕で、重さ約1トンの黄金の仏像と多くの箱を発見します。

持ち出した一つの箱の中には24本の金の延べ棒が入っていました。

また、10人がかりで運んだ仏像の首は取り外すことができ、中には数百個のダイヤモンドの原石が詰まっていたそうです。

ロハス氏が山下財宝の発見で大喜びしたのも束の間、マルコス大統領の命を受けたフィリピン軍に拘束され、黄金の仏像や金の延べ棒は押収されます。

仏像はその後、ロハス氏に返還されますが、それは真ちゅう製の偽物でした。

ロハス氏は1988年、マルコス前大統領とイメルダ夫人に損害賠償を求めて、亡命先のハワイ州の連邦地方裁判所に提訴。

マルコス前大統領とロハス氏が死去した後の1996年、裁判所はイメルダ夫人に対し、財宝の代金とロハス氏を違法に拘束して拷問したことへの補償金として計220億ドル(約30兆円)を、ロハス氏の遺族らに支払うよう命じます。(賠償金はその後1900万ドルに減額)

イメルダ夫人は1992年に「夫の財産の一部は山下財宝によるものだ」と発言し、不正蓄財を言い逃れるための作り話と受け止められてきましたが、ゴールデン・ブッダの話が真実なら事情は変わってきます。(この項続く)

ロハス1
 黄金の仏像とロハス氏(Roxas Collection Mobile Museumのフェースブックから)

(08:00)

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