2023年01月05日

初詣を兼ねて瀬戸市の定光寺を訪ねました。

室町幕府が成立した1336年の創建と伝わる古刹で、愛知県の公式観光ガイドによると、尾張の鬼門封じの役を担い、「参詣すれば災難はたちどころに消えて多くの福が授かる」と広く信仰を集めてきました。

尾張徳川家初代徳川義直の墓所である「源敬公廟(げんけいこうびょう)」があり、本堂の「無為殿」とともに重要文化財に指定されています。(源敬公は徳川義直の諡号、すなわち死後に贈られた名前です)

桜と紅葉の名所としても有名です。

最寄り駅はJR中央線の定光寺駅(住所は春日井市)で、昇りの道を歩いて30分近くかかりますが、途中、庄内川の渓流や、地元では心霊スポットとしてお馴染みの廃墟ホテル「千歳楼」を眺めることができます。

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 千歳楼=愛知県春日井市で

車で行けば、定光寺霊園の無料の駐車場に止めてすぐです。

三が日を過ぎたばかりで、まだまだ凄い人出だろうと思っていたのですが、意外にも参拝客は数人しかいません。

お札やお守りを売っているはずの寺務所も無人で、まるで開店休業状態です。

これがその理由なのかどうかは分かりませんが、境内には真新しい看板が立てられていて、そこには「前住職と前副住職は臨済宗妙心寺派より擯斥(ひんせき)の懲戒処分を受け、現在は僧侶ではありません」と記されています。

スマホでニュースを検索すると、3年ほど前に前住職らが檀家のお布施などを私的流用していたことが発覚したそうです。

以前に訪ねた興正寺もそうでしたが、お寺の運営も大変なようです。(この項続く)

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 定光寺の本堂「無為殿」=愛知県瀬戸市で

(16:00)

2023年01月02日

埋蔵金探しを定年後の趣味として始めてから、初めてのお正月を迎えました。

1日遅れましたが、1年の計は元旦にありということで、今後の活動計画を立ててみたいと思います。

昨年は、前野小平治の埋蔵金(南知多町)や尾張徳川家の駿府御譲金(名古屋市昭和区)、帰雲城の埋没金(岐阜県白川村)といった中部地方の有名な埋蔵金伝説について、資料を調べたり、現地に足を運んで地元の人に話を聞いたりしましたが、いずれも「埋蔵金は実在しない」という結論に達しました。

愛知県内では、日吉神社の埋蔵金(清須市)、一色山城の金鶏伝説(瀬戸市)、小金下の埋蔵金(みよし市)、重原城の埋蔵金(知立市)も空振りに終わり、やり尽くした感があります。

今後の活動ですが、昨年の結果を踏まえ、二つの方向を考えています。

一つは、探索の範囲を中部地方以外の埋蔵金伝説まで広げること。

これは時間も費用もかかるので、以前にブログでも触れた「埋蔵金の期待値」が高いことが条件となります。

逆に、多額の埋蔵金が現在も埋まっているのは間違いなく、発掘できる可能性も高そうだというものが見つかれば、多少遠くてもチャレンジするつもりです。

もう一つは、畠山清行氏や八重野充弘氏の著作にも紹介されていないような埋蔵金伝説を、古文書などから見つけだすこと。

そのためには古文書の読解力を鍛えるとともに、埋蔵金情報に対するアンテナを高く張る必要がありそうです。

いずれにしろ、今年こそは埋蔵金を発掘し、このブログで盛大に発表するつもりです。

(11:00)

2022年12月27日

今回は日本の埋蔵金研究の第一人者、畠山清行氏の本に関わる話です。

3カ月前にネット通販で入手した畠山氏の最後の著書「海底の秘宝と埋蔵金」は、どうせ「日本の埋蔵金」や「新・日本の埋蔵金」の焼き直しだろうと思って、ずっと積読状態だったのですが、ページを開いてい見て驚きました。(そんなことはとっくに承知で、今さら何を言ってるんだと叱られそうですが)

「木曾義仲の隠れ城の秘宝」や「武田勝頼の軍資金埋蔵異説」など、これまでの著作では触れなかった埋蔵金伝説について記しています。

それ以上に仰天したのは、畠山氏が「日本の埋蔵金」で取り上げた二つの埋蔵金の存在をはっきりと否定(いずれも既に発掘済みと断定)していることです。

一つは天草四郎軍が熊本県苓北町の三角池に埋めたキリシタンの秘宝で、久留米の師団が昭和12(1937)年の第二次上海事変の際にこの池で渡河訓練を行い、誤って溺死した兵士を引き上げる際に黄金版などを掘り出したのを目撃したという老人の証言を紹介しています。

畠山氏は当初、老人の戯言とみてまともに相手にしなかったようですが、陸軍が口封じのためにこの老人に贈った感謝状を目にして納得します。

もう一つは結城晴朝の埋蔵金で、安政6(1859)年の瓦版が報じた、農家の古井戸から金の延べ棒9000本が見つかったという話を事実であると認めています。

仲元虎斉氏らが行った発掘作業には、畠山氏も当事者として加わっており、「300万円近い大金と数カ月の労力を無駄にした」と後悔しています。

畠山氏は本の中で「研究者にとって最も大切なのは初心者の態度である」「己惚れや知ったかぶりは絶対に慎むべきだ」と戒めを込めて書いていますが、私自身も心に刻みたいものです。


(08:00)

2022年12月23日

急に寒さが厳しくなり、埋蔵金探しのフィールドワークをしばらく中断しています。

埋蔵金伝説の残る近場は行き尽くしてしまい、有望な候補地が見当たらないという理由もあります。

いわゆる朝日長者伝説は各地にありますが、実際に財宝が埋められている可能性はゼロに近いようです。

デッドロックに乗り上げた感があります。

といって埋蔵金探しを諦めたわけではなく、どうすれば財宝を手にできるか、さまざまな角度から検討を試みています。

古文書を読むための学習も地道に続けています。

埋蔵金について記した古文書を新たに見つけることが、ゴールに近づくための有効な手段の一つであることは間違いないでしょう。

古文書に関する本を二冊購入しました。

一冊は、苅米一志著「日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法」です。

古文書を読むことは、くずし字をマスターすることだと思われがちですが、実はその後に変体漢文として訓読し、それを口語に訳するという作業が控えています。

序文によると、変体漢文の訓読を専門に扱った唯一の本だそうです。

ページ数はそれほど多くなく(字も大きいです)、数時間で読めます。

もう一冊は、林英夫監修「音訓引き古文書字典」です。

あいうえお順で、古文書に出てくる用語とくずし字、その意味を同時に参照することができる優れもので、これはこの先も重宝しそうです。


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(08:00)

2022年12月13日

埋蔵金関連ニュース

1857年9月に米サウスカロライナ州沖で沈没した蒸気船「SSセントラル・アメリカ号」から回収された遺品のオークションがネバダ州リノで行われ、リーバイスのジーンズの原型と見られるズボンが11万4000ドル(約1550万円)で落札された。

ニューヨーク・タイムズ紙などによると、ズボンはゴールドラッシュの時代に鉱山労働者がはいていたもので、白色の5ボタンの前開き。

リーバイ・ストラウス社が最初のジーンズを販売したのは1873年で、それよりも16年も早く、専門家の間では否定的な見方もある。

この日はほかにもブルックス・ブラザースのアンダーシャツなど計270点が競売にかけられ、落札総額は100万ドル近くに上った。

SSセントラル・アメリカ号はパナマからニューヨークに向かう途中、ハリケーンの直撃を受けて沈没し、乗客と乗員578人のうち425人が亡くなった。

積んでいた約14トンの金も一緒に沈み、「Ship of Gold(黄金の船)」と呼ばれてきた。

トレジャーハンターのトミー・トンプソンが率いるチームが1988年9月に沈没船を発見し、遠隔操作の無人潜水機を使って3トンに上る金の延べ棒やほかの財宝の回収に成功した。

トンプソンは2000年、金を約5000万ドルで売却したが、発掘作業の出資者やほかのメンバーたちが分け前を受け取っていないとしてトンプソンを提訴。

裁判所に出廷せず、逃亡を続けていたトンプソンは2015年に逮捕、収監され、管財人が任命されていた。

SSセントラル・アメリカ号の遺品のオークションが行われたのは今回が初めてで、次回は来年2月に予定されている。

(08:00)